びびぱん in 葡萄牙国 2005 〜 びびぱん はじめての里帰り 〜
 
8/13(sat)[2]
 

■ 8/13(sat):3日目[2] リジュボア

 

● ナタだけじゃないぞ、パステイス・デ・ベレン

パステイス・デ・ベレンは老舗のパステラリアで、ジェロニモス修道院より受け継いだ秘伝のレシピによるパステイス・デ・ナタ(エッグタルト)が人気です。
パステイス・デ・ナタ自体はポルトガルの伝統菓子で、ポルトガルのどこのパステラリアに行っても置いてるくらいポピュラーな食べ物ですが、ここのナタは高温で焼き上げるため表面 の皮のぱりっとした触感が特徴で、遠路はるばる買い求めに来るファンも多いのだとか。
店先はお昼過ぎということもあってものすごい混雑ぶりですが、事前のリサーチで店の奥行きが結構広いことを知っていたびびぱんは、ずんずんと店の奥に進んで行き、いちばん奥に空いているテーブルを見つけ、陣取りました。

 
(左)これがパステイス・デ・ベレンだ! (右)店内の様子

座ってもなかなかオーダーを聞きに来てくれません。
なんだかめちゃくちゃ忙しそうです。
客は9割方が観光客のようでしたが、一部地元のおっちゃんも新聞を読みながらビッカを飲んでました。

忙しそうに動き回ってる店員のおっちゃんをつかまえ、ナタを4つとガラオンを2つ頼みました(「クアトロ・ナタ、ドイシュ・ガラオン。」と言った)。
ぱんだはまだ何か頼んで欲しそうでしたが、意を決したのか口を開きました。

「バカリャウ・コン・ナタシュ!」

おっちゃんは一瞬、と言うか三瞬くらい止まってから、「Não, Não.」。
ぱんだは干しダラのコロッケを頼みたかったらしいのですが、そりゃ「パステイス・デ・バカリャウ」でしょ!
ぱんだ、注文しなきゃ、と緊張して、バカリャウのコロッケではなくバカリャウのクリームグラタンを注文してしまいました。
そりゃ、パステラリアには中々ないわなあ。
後で聞くと、ポルトガルで食べたいバカリャウ料理ベスト2がバカリャウ・コン・ナタシュとパステイス・デ・バカリャウだったらしく、緊張して混乱したということです。
ぱんだが何を言いたかったのか察したびびんば、あわてて「パステイス・デ・バカリャウ。」と言い直したところ、「Um?(1個か?)」「ウン!(1個!)」とおっちゃんも得心したのか去って行きました。

やって来たナタは、うわさ通りのばりっとした皮の触感と甘過ぎないカスタードクリームが絶妙の美味しさでした。
シナモンや粉砂糖を振り掛けて食べても美味しいとのことでしたが、びびぱんは何もかけずそのまま頂くのが好みでした。
そしてバカリャウコロッケですが、タラの味がしっかりしていて、これは病み付きになりそうな味。
パステイス・デ・バカリャウ、これは覚えておこう、うん。

パステイス・デ・ナタ Pastéis de Nata ×4 3.00EUR(426円)
パステイス・デ・バカリャウ Pastéis de Bacalhau 0.85EUR(約121円)
ガラオン Galão ×2 1.80EUR(約256円)

ところで唐突ですが、ポルトガルと言えばアズレージョ。
「絵タイル」「装飾タイル」などと訳されることが多いですが、例えばポルトのサン・ベント駅(明日4日目に登場予定)のアズレージョのような壮大な歴史絵巻などはまだしも、そのへんの町中やお土産屋で見かけるアズレージョには、どうも芸術的には疑問符の3つ位 点灯するようなものも多いと常々感じておりました。
そんな中、決定的なアズレージョをここパステイス・デ・ベレンの店内で発見、思わず1枚パチリ。
それが下右側の写真です。
どう贔屓目に見ても子どもの落書き程度にしか見えないのですが…。

 
(左)パステイス・デ・ナタ、パステイス・デ・バカリャウ、ガラオン (右)微妙なアズレージョ

ともあれ、美味しさと安さに満足し、パステイス・デ・ベレンを後にしました。

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● リジュボア歩きまくり、再び

パステイス・デ・ベレンの向かいのバス停兼チンチン電車の駅で帰りのチンチン電車を待ちました。
ポルトガルのバスって、リアウインドウにおっきく「Ar Condicionado」って書いてあるんですけど、要は「エアコン付いてます」ってことですよね。
それ見て笑ってたびびぱんでした(「冷麺はじめました」みたい…)。

しばらく待って、クラシカルな車両のチンチン電車がやって来ましたが、すでに満員御礼でドアのところにも人がぷら下がっている状態だったので見送りました。
その次に来たバスは何故か停留所をすっ飛ばして乗車拒否状態。
待ってたお客さんはそろってブーブー言ってました(ポルトガルこういうこと多いらしいです)。

ダイブ待ち疲れて暑さでまいって来た頃、2両編成の新型チンチン電車がやって来ました。
これまたこの駅でたくさんの人が乗って満員御礼でしたが、びびぱんもこれに乗り、フィゲイラ広場まで戻りました。
「Ar Condicionado」が付いてて、途中で運良く座ることも出来て、快適でした。

バイシャまで戻ったびびぱん、昨日ボンジャルディンで見つけたワインの瓶にすぽっとかぶせる筒状の保冷剤を探しに、昨日も行った日用雑貨のデパート、ブラス・イ・ブラスに向かいました。
が、捜しまわったのですが見つからず。
がっかりしながらブラス・イ・ブラスを出て、他に置いてそうな店を探してみようとガイドブックを取り出したところ、ブラス・イ・ブラスのすぐ近くに、ポルックス POLLUX という、ブラス・イ・ブラスと同じような生活雑貨のデパートがあることがわかり、そっちにも行ってみることにしました。

ポルックスはフィゲイラ広場の南、通りの名前で言うと「Rua dos Fanqueiros」にあります。
ベレンに行くチンチン電車15番の通る道ですね。
9階建でブラス・イ・ブラスよりも大型店鋪なので期待が持てます。

入口の雰囲気は田舎のちょっとイナタイ感じのデパートと言うかスーパー。
先ずはエレベーターで上まで上がり、階段で降りながら1フロアずつ見ていく作戦に出ました。
お風呂の洗面器とかウォシュレットとか水道の蛇口とか子ども用の塗り絵とか、「こんなんいらんよなあ。」とか言いながら見て回る東洋人2人。
お店の人は怪しがってたかも。

そして!
とうとう見つけましたよ、筒状になった保冷剤!
しかも普通のワイン用とスパークリングワイン用の2サイズがあり、両方購入することに。
あれ、でもこれフランス製やな…。
まあいいか…。
でもこれでニホン帰ってロ○トとかハ○ズに置いてたらかなりショックです。
ワインをよく飲むぱんだ実家にもお土産として買いました。
ワインサイズ4.95EUR(約703円)、スパークリングワインサイズ5.25EUR(約746円)。

更に!
1階の食器やら鍋やら並んでるコーナーの片隅、カタプラーナ鍋の下に、探してたコルク製のカタプラーナ鍋敷きがあるではありませんか!
これも昨日から探してました。
前回の旅行で3つ買って帰ったカタプラーナは、びびぱん家、びびんば実家、ぱんだ実家にそれぞれ納められたものの、ぱんだ実家のそれは未だに箱から出されることなく、びびぱん家のとびびんば実家用に2つ、鍋敷きを購入。
そもそもこれは実はびびんば母からのリクエスト品でした。
某○協のカタログにカタプラーナと一緒に載っており、欲しくなった模様。
カタプラーナ鍋敷き、1つ9.25EUR(約1,314円)。

あと、ぱんだは、ぱんだいはく「超イイカンジの」ティーセットを見つけて鼻息荒くなってましたが、びびんばの「どーやって持って帰るねん!」という言葉に、未練たらたら、渋々諦めてました。
多分持って帰ってもニホン着くまでに割れてる…。

その他、ランチョンマットなんぞも追加購入し、充実のポルックスを後にしました。

 
(左)ポルックス (右)グロリア線乗り場のすぐ近く、リベルダーデ大通 りに面したレスタウラドーレスのびびぱん御用達「いつもの店」

ポルックスからシアードの方面にまっすぐ歩くと、ちょうどサンタ・ジュスタのエレベーター Elvador de Santa Justa にぶち当たります。
サンタ・ジュスタのエレベーター、前回の旅行でも外から見ただけで乗れなかったので、今回の滞在中に乗りたかったのですが、観光客で混雑してたので諦めました。
ロッシオ広場まで戻って、ジンジャの立ち呑み屋「ア・ジンジーニャ A Ginjinha」の場所を確認したりして、この日もシエスタを取るためホテルに戻ることにしました。

さすがに歩き疲れたびびぱん。
レスタウラドーレスの「いつもの店」で冷たい飲み物を買い込み、メトロに乗らず歩いてホテルに戻りました。
フレンドリーなホテルマンに部屋の鍵を受け取るのも少し慣れて来ました。

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● 「賑やかな」ビアホールでワイン?

この日の夕食は、早くもリジュボア最後の夕食になります。

どこに行こうか、何を食べようかと、2人でさんざん考えてたのですが、びびんばのたっての希望で、ポルトガルのビアホールに行くことにしました。
ビアホール、ポルトガル語ではセルヴェジャリア Cervejaria と言いまして、一度、現地のわいわい賑やかなセルヴェジャリアでビール(=セルヴェージャ Cerveja)を飲みながら、美味しいものをつまんでみたかったのです。
2時間ほどシエスタしてるうちに小腹も空いて来たので、まだニホン人の感覚でもちょっと早いかなと思う時間でしたが、夕食に出かけることにしました。

向かいますのはポルトガルのビールメーカー「サグレス Sagres」の直営店である「トリンダーデ Cervejaria da Trindade」。
ガイドブックにもよく載っていますね。
(でも滞在中はサグレスよりも「スーペルボック Super Bock」ばっかり飲んでたような気がしますが。)

トリンダーデは、地図を見ると、昨日行ったパステラリア(カフェ)ア・ブラジレイラの向かってすぐ左の筋を入ってまっすぐ行くと右手にあるみたいだったので、バイシャ・シアードまで出ることにしました。
ホテルを出てアヴェニーダ駅でメトロに乗って2駅です。
こういうフトしたところの機動力に7 colinusは役立っています。
もしも当初の予定通りホテル・ムンディアルに泊まっていたら、ここまで7 colinusを活用することはなかったかも知れません。

バイシャ・シアード駅でリベルダーデ大通りと反対側に上がるとシアードです。
シアードの方が高台になっているため、エスカレーターを乗継ぎ乗継ぎ上るのですが、なかなかです。
ア・ブラジレイラの角を曲がると、ア・ブラジレイラのペイントを施されたクルマが路駐されていました。
社用車か?
その道をまっすぐまっすぐ、「あれ?道間違えたかな?」 と思うくらい歩くと、トリンダーデがありました。
結構なんにもない、わかりにくい入口です。

トリンダーデ、店の手前のカフェ席は結構混んでましたが、奥のレストラン席はガラガラで、客は1組だけでした。
時計は夕方の18時、やはり来るのが早すぎた模様。
びびんばの希望は「賑やかな」セルヴェジャリアだったのですが…。

しかし店の奥は広くて、壁一面のアズレージョも見事です。
聞くところによると、元々修道院だった建物を改装してセルヴェジャリアにしたのだとか。
雰囲気は中々良いです。

 
(左)ア・ブラジレイラ・カー (右)修道院を改装したというトリンダーデ店内

トリンダーデでは、以下のものを注文しました。

サグレス500ml瓶 2.20EUR(約312円)
ヴィーニョヴェルデ Quinta de Aveleda 1/2 6.35EUR(約902円)
シェフ・サラダ Salada do Chefe 5.65EUR(約802円)
カルドヴェルデ Cardo Verde 1.95EUR(約277円)
サーロインステーキ・トリンダーデ風 Bife Vazia Trindade 9.15EUR(約1,299円)
ビッカ(エスプレッソ) Bica 0.65EUR(約92円)

びびんばは当然サグレスのビールを。
しかしぱんだは普段あまりビールを飲みません。
オーダーを取りに来たおっちゃんに、「ヴィーニョ?」と控えめに聞いてました。
「ここセルヴェジャリアなんですけど…。」
と思ってると、おっちゃん、ヴィーニョ(ワイン)のメニューも持って来てくれました。
ぱんだ、ニホンでも飲み慣れてるヴィーニョヴェルデの「キンタ・デ・アヴェレーダ Quinta de Aveleda」のハーフボトルを頼んだところ、ハーフだからか、出て来たのはいつも飲んでるのとは違うラベルの瓶でした。
「へ〜、こんなのもあんねや〜。」とちょっと得した気分。

シェフ・サラダは、刻んだキャベツや海老にたっぷりのマヨネーズとオリーブ、そしてぱんだの大好きな(?)ピ−マンの入ったものでした。
カルドヴェルデはちりめんキャベツの入ったじゃがいものスープで、ポルトガルでスープと言えば先ずはコレ。
びびぱん家でもちょくちょく登場します。
チョリソーも入ってました。

  
(左)シェフ・サラダ、カルドヴェルデ、ヴィーニョヴェルデ (右)サーロインステーキ・トリンダーデ風

そしてメインのサーロインステーキなんですけど、上の写真のステーキ、実は半分です。
びびぱんのテーブルに運ばれて来た時は、銀色のアルミの鍋のような皿に、ソースと言うよりはスープに浮かべられたステーキと、同じくアルミの皿に山盛りのバタタ・フリッタ(フライドポテト)。
ニク好きのびびんば、写真を取るのも忘れてナイフとフォークを突き刺してました。
上の写真は、その後、写真を撮り忘れたことに気付き、半分に切り分けてぱんだの取り皿に盛ったところです…。
このステーキのソースが、チーズがたっぷり入ってる感じで、濃くて美味しかった。
ただ、肉はかなり固かったですが。
アゴ、疲れた。

食後のコーヒーはびびんばのみ。
トリンダーデ、びびぱんが食べ終わる間に、もう1組客が増えただけでした。
ああ、「賑やかなセルヴェジャリア」は一体…。

ぱんだのリアルタイムblog(+帰国後追記) >>

● リジュボアの明るい最後の夜

トリンダーデを出ても、まだまだ空は明るかった。
多分19時過ぎてたと思いますが、なんか15時半くらいの感じ。
真っ昼間っから酔っぱらってる不良社会人のような気分で、昨日も行ったハーゲンダッツで食後のデザートを買い求めました。

リジュボアにはケーブルカーが3路線あり、それぞれ「ラヴラ線」、「グロリア線」、「ビッカ線」といいます。
リジュボアを観光していていちばん目に着くのが、レスタウラドーレスとバイロ・アルトを結ぶ「グロリア線」でしょう。
びびぱんも、昨年のツアーの時に乗りました。
今回、リジュボアでの目標のひとつに、「ケーブルカーとエレベーター完全制覇!」というものを掲げていたびびぱん。
シアードからそう遠くない「ビッカ線」まで、ハーゲンのアイスを食べながら向かいました。

このビッカ線、少し前に、「プライスレス」というコピーで有名な某カード会社のTVCMで使われたので、見覚えのある人も多いでしょう。
夜のレストランから出て来たニホン人の3人家族が、お店の家族に見送られながらこのビッカ線に沿って坂道を降りていく、というCMでした。
果たして、あの家族はこの坂道を降りて一体どこに向かったのでしょうか。
それを確かめるためにも、ぜひともビッカ線に乗ってみなければなりません。

ちょうど出発するところだったらしく、運転手らしきおっちゃんに「乗ってもええか?」とアイコンタクトだけで聞いてみると、「ええで。」と同じくアイコンタクトで答えてくれたので、走って乗り込みました。


リジュボア市民の足、というよりは観光客専用といった趣きのケーブルカー「ビッカ線」

 
(左)出発進行!車内の様子 (右)途中で上りのケーブルカーとすれ違いました

洗濯物の干された軒下をくぐりながら、 ガタゴトと、ゆっくり下るケーブルカー。
これぞリジュボア、といった風情がありました。
終着駅(下の乗り場)はどんなとこなのかなと思ってたら、アパートのような民家の中に吸い込まれて行き、終点。
短い時間ですが、楽しかった。
リジュボアではぜひ一度乗ってみることをオススメします。

ただ、某○スター○ードのCMの家族は結局どこに帰って行ったのでしょうか。
ホテルもなさそうだし、謎は深まるばかりです。

降車しながら、乗る時に切符を買ったり7 colinusを機械に通したりってコトをしなかったのでどうするんだろうと思っていたところ、降りてからいつものICカードの読み取り機がありました。
ここは後払いなんですね(上りに乗ったら先払いか)。

 
(左)到着〜! (右)この家の中にケーブルカーが入ってます(1つ目ライトが光ってるの見えるかな?)

 
(左)ビッカ線乗り場の通り左側  (右)ビッカ線乗り場の通 り右側

ビッカ線乗り場の通りを渡るとコメルシオ広場に向かうバス停があり、そこでバスを待ちました。
まだ明るいとはいえ時間はもう夜なので、バスは中々来ませんでした。
何故か来たバス1本見送ってしまうし…。
このバス停で20分くらいブラブラしてました。

 
(左)いかにもポルトガルらしいアズレージョのアパート (右)バス停に佇むハンチングのおっちゃん

コメルシオ広場でバスを降り、オウロ通り Rua da Ouro をゆっくり歩くと、道ばたのパステラリアやレストランはどこも混雑しており、美味しそうなニオイがただよっていました。
サンタ・ジュスタのエレベーターは空いたかな?、と思って見に行ったのですが、昼過ぎに見た時よりも長くなった行列を見て、明日朝イチに来ることを決めたびびぱんでした。

バイシャ・シアード駅からメトロに2駅乗って、ホテルに戻りました。
明日はいよいよ緊張のポルトへの移動。
びびんばは風呂から出た後、知らない間に眠りにつきました。

 
 

(びびんば 2005-09-08)