びびぱん in 葡萄牙国 2005 〜 びびぱん はじめての里帰り 〜
 
8/14(sun)[1]
 

■ 8/14(sun):4日目[1] リジュボア → ポルト

 

● くちびるにトリパス

ホテル・リジュボア・プラザで目覚める最後の朝、今日も今日とて7時起床。
本日は、とうとう、13時55分リジュボア・サンタ・アポローニャ駅発の電車に乗って3時間、ポルトガル第2の都市ポルトへと移動します。
リジュボアの3泊はあっという間でしたなあ。
大きな事件もなく(到着すぐのホテルのオーバーブッキングは?)、楽しい滞在でした。

…と思いきや、朝からぱんだの身に異変が!

実はぱんだ、ニホン出発前日、くちびるにネツノハナが出そう、と感じたらしく、自宅にあるハズの薬を探しておりました。
ところが結局見つからず、まあダイジョウブだろう、ということでそのまま出国したのでした。
さて、今朝、目覚めたぱんだを待ちかまえていたのはくちびるの異物感。
不安適中、ポルトガルの紫外線効果か、ぱんだのくちびるにネツノハナが出てしまいました。

それを知ったびびんば、「トリパス大丈夫?」
ぱんだ「それを言うならヘルペスやろう。」

その後もぱんだは、ことあるごとにびびんばに「衝撃!ぱんだのくちびるにトリパスが!」「トリパスおんな」などと言われ続けるはめに合いました。

● びびぱん右往左往

ホテルのチェックアウトは12時だったので、リジュボア・プラザでの最後の朝食を終え、前日の予定通 り、サンタ・ジュスタのエレベーターへと向かうことにしました。

先ずは昨日同様、アヴェニーダ駅で7 colinusへ1日分をチャージ…のつもりが、自動券売機には使える紙幣は[5] [10] [20]と書いてあるのに、おそらく券売機内に釣り銭がなかったのか20ユーロ札が使えず、この時たまたまそれ以上細かい紙幣や硬貨を持っていなかったので、チャージをすることが出来ませんでした。
まだ朝の8時半だったので、当然のごとく窓口のおばちゃんもまだ出勤しておらず、とりあえずレスタウラドーレスの「i」まで歩いて行ってみることにしました。
(注:Lisboa Cardは「i」で販売していますが、7 colinusはリジュボア市の交通 機関であるCarrisの窓口かメトロの窓口もしくは自動券売機でないと購入・チャージは出来ません。そのことは事前のリサーチで知っていたはずのびびんばでしたが、この時はうっかり失念していました。今から思うと、旅の慣れによる気のゆるみと旅の疲れはすでにこの頃から表れていたようで、その後びびんばはとんでもない失態を許すことになるのであった。)

レスタウラドーレスまで歩きましたが、それにしても、今日は…めちゃくちゃ暑いではないか。
昨日、一昨日と、朝方はまだ日射しも強くなく、過ごしやすい気候だったのに、今日は朝からひどく暑い。
これは日中はとんでもないことになるだろうなあ、でも丁度いちばん暑いと思われる時間帯は電車に乗ってるかもなあ。

レスタウラドーレスの「i」はケーブルカーグロリア線の乗り場の隣、フォス宮の1階にあり、開くのは9時。
…のはずが、9時過ぎに着いたのに閉まってる。
これはどうしたものかと思い悩んでいると、重そうな扉が開きました。
早速「7 colinusにチャージして〜。」と窓口に駆けよったものの、当然「No.」の返事。
窓口の姉さんに「レスタウラドーレスのメトロの駅に行ったら?」とボディ・ランゲージで伝えられ(この時点で「i」では7 colinusのチャージができないことを思い出した)、メトロの駅に降りました。

レスタウラドーレス駅の窓口には、ひとは…いたあ〜、良かったあ〜。
先に2人並んでいたのでその後ろにつくびびぱん。1人目のおじいちゃんはポルトガル語が苦手なのか、中々窓口のおっちゃんと意思疎通 が取れず、時間がかかっていた。
2人目の黒人のお兄ちゃんは何やらIDカードのようなものを見せながらあーだこーだとやり取りし、窓口のおっちゃんもどこかに電話をかけたりして…要は時間がかかった。
ようやくびびぱんの番、気付けば後ろは長蛇の列。
今回は吾々のせいじゃないですよ〜、と思いながら7 colinusを2枚と20ユーロ札を出して、「チャージ・プリ〜ズ」。
…ちゃんと通じた。
後続の列をこれ以上延ばすことなく、窓口を立ち去ることが出来ました。
サンタ・ジュスタのエレベーターに向かうため、バイシャ・シアード駅まで1駅乗車。

● 本日のいちばん乗りでございます

もともと高台であるバイロ・アルトへの交通機関だったエレベーターですが、現在はバイロ・アルトへの連絡橋が安全上の理由で閉鎖されており、その結果 、リジュボアの街を一望出来る展望台(頂上ではカフェが営業している)として観光客に人気です。

昨年は時間の都合上、乗車(?)できなかったびびぱん、旅の目標のひとつであった「ケーブルカーとエレベーター完全制覇!」達成のため、エレベーターの動き出す9時に到着予定でした。
レスタウラドーレスで少し時間をロスした結果、9時20分頃エレベーターの前に到着。
何故かまだエレベーターは動いていませんでしたが、ブラジル人の(多分)団体観光客と、地方から出て来たポルトガル人(多分)のカップルがすでに並んでいました。
いっぺんに乗れるんやろか、と不安に思いながらその後ろに並んで10分ほど待ったところ、エレベーター乗り場のシャッターが開きました。

ところが先頭のブラジル人団体さん、エレベーター運転手(?)の兄ちゃんと何やら口論に。
その後、ぶつくさ言いながら、ぞろぞろとエレベーターの裏側にあるビリェッテリアの方に行ってしまいました。
どうやらチケットが前売りだったことを知らなくて買ってなかった模様。
そりゃそうでしょう、ビリェッテリアまだ開いてませんでしたから。
次のポルトガル人カップルとびびぱんは7 colinusを持っていたのですんなり乗車。
その後団体ブラジル人たちは戻って来ず、定刻になったのか、びびぱんとポルトガル人カップルの4人だけを乗せたエレベーターは発車しました。

 
(左)昨日の夜撮影したサンタ・ジュスタのエレベーター (右)ブラジル人団体客を待つ運転手(結局間に合いませんでした)

 
(左)奥に見える連絡橋 (右)狭〜い螺旋階段

クラシックな鉄骨の中をゆっくりと上昇し、すぐに到着〜。
降りるとここは頂上の展望台ではなく、奥には閉鎖されているバイロ・アルトへの連絡橋が見えました。
一緒に上がったカップルはすでに写真を撮ったりうろうろしていたので、びびぱんは一番乗りでさらに狭い螺旋階段を使って展望台(兼カフェ)に登ると…。

おお〜!!

バイシャ地区の街並が一望!
正面には昨日行ったポルックスが見え、更にその奥には、一昨日登ったサン・ジョルジェ城が鎮座まします。
一昨日は正面のサン・ジョルジェ城の展望広場から、こちら向きの眺望を眺めましたなあ。

 
(左)ロッシオ広場方面 (右)コメルシオ広場〜テージョ川方面

何故か(?)高い所に登るのが好きなびびぱん、朝イチでカフェはまだ営業準備の掃除をしており、辺りは漂白剤臭かったですが、このエレベーター頂上からの景色は堪能しました。
昨日ぱんだが発明した「セルフタイマー」を使って、遠くに見えるサン・ジョルジェ城をバックに写 真を撮っていたのですが、なかなか上手くいかず、見かねた掃除中のカフェのおっちゃんが1枚撮ってくれました(その写 真は今年のびびぱん家からの残暑見舞いはがきに使用)。

下りのエレベーターに乗ろうと螺旋階段を降りると、ちょうどエレベーターが上って来て、先ほどのブラジル団体さんがどわーっと降りて来ました。
静かに朝のリジュボアの街を一望できて、良かったのかも知れません。

● くちばし、カステラ経由

エレベーターを降りてすぐのアウグスタ通り付近から、甘いけどものすごくイイニオイが漂って来て、思わずふらふらとニオイの方に吸い寄せられて行ったぱんだが見たものは、パステラリアでした。
「昼食はここにしよう!」
ぱんだの強烈な希望により決定。

さて、あと数時間でリジュボアを離れてしまうので、まだ行けてないところはなるべく見て回ろうと、いちど見たいと思っていた「くちばしの家 Casa dos Bicos」まで行ってみることにしました。
外壁が鳥のくちばしのような尖った石でおおわれている4階建ての家で、そのダイヤモンドカットの外壁は、ポルトガルのダイヤモンド採掘を象徴しているのだそうです。
やはりびびぱん、地図を見ながらてくてく歩いて向かいました。
途中、ニホンのカステラをポルトガルに里帰りさせた「パウロのカステラ Castella do Paulo」の前を通りましたが、そこには「盆休み」の貼り紙が。

 
(左)くちばしの家に到着 (右)盆休み中だった「パウロのカステラ」

バイシャ地区といえど、ほとんどアルファマ地区と言っても良い位の場所に、くちばしの家はありました。
外壁を飾るくちばし型のダイヤモンドカットの石は、そこかしこに削られたり抜かれたりした跡がありました。
手の届く1階部分ばかりがそうなっているので、いたずらで持って帰ったりされてるのでしょうかね。

● 朝から立ち呑み

再びてくてく歩いてロッシオ広場まで戻り、昨日場所を確認した「ア・ジンジーニャ A Ginjinha」へ。
この店には、「猫と旅行の日々」の管理人まききさんが旅行記の中で紹介しておられたのを読んで、これは行かねばと思ってたのですが…まあ立ち呑み屋みたいなもんですな。
置いてるのはさくらんぼみたいな果実のリキュール、その名も「ジンジャ Ginja」のみ。
「スモール・サイズ。」(0.70EUR=約99円)と頼んだハズなのに、大の値段0.90EUR(=約128円)を払いました。
飲んだのが小だったのか大だったのか、いまだにわかりません…。
ぱんだは「ボられたのでは…?」と、またやさぐれ気味でしたが。
ジンジャは甘くてアルコール度数が高めで、さくらんぼの実みたいなのも入ってました。
ぱんだも飲んで美味しかったので、あとで友達へのお土産に、レスタウラドーレスの「いつもの店」で何本か買おうと決める。

朝からほんのり酔いながら、「ケーブルカーとエレベーター完全制覇!」の目標最後の関門、ケーブルカーの「ラヴラ線」へと向かいました。
ケーブルカー「グロリア線」は昨年乗ったし、「ビッカ線」は昨日、サンタ・ジュスタのエレベーターは先ほど乗ることが出来たので、この「ラヴラ線」に乗ることができれば目標達成です。

道中、一昨日ディナーした「ボンジャルディン」の前を通ると、ちょうど店員の皆さんが出勤して来たところで、びびぱん担当だった兄ちゃんとはアイコンタクトであいさつ。
あれ? でも日曜は休みじゃなかったの?
営業してるんなら今日の昼食もう1回ボンジャルディン行くつもりで予定組んだのに…。
ああ、カンジャ…。
ぱんだがっかり。

そしてラヴラ線、行ってみると、何故か坂の上の方に2台とも止められていて、運行している様子はありませんでした。
日曜なのでこの日は休みだったのか、それとも時間が早かったのか、よくわかりません。
せっかく坂登ったんだけど。
びびんばがっかり。

 
(左)地元人に混じってジンジャを一杯ひっかけるびびんば氏 (右)動いていないラヴラ線

ラヴラ線は次回への宿題に取っておくことにして(次回があるのか?)、「いつもの店」でジンジャの200mlボトル(1本4.99EUR=約709円)を数本買い、歩いてホテル・リジュボア・プラザに戻りました。
ぱんだはしつこい位「カンジャ…。ボンジャルディン…。」とつぶやいていました。

● びびぱん、またボられる!?

スーツケースの荷作りは昨晩ほとんど済ませていたので、ホテルで30分ちょっと休憩し、11時30分にチェックアウトしました。
「Taxi?」「ノー。」
びびぱんは今からランチするため、先ほど見つけたパステラリアまでスーツケースを引きずって行かなければならないのです。

当初の予定とは違いましたが、今回3泊お世話になったホテル・リジュボア・プラザ、従業員の方のサービスも行き届いており、気持ちの良い、居心地の良いホテルでした。
立地的にも、メトロさえ使えば不便を感じることがなかったので、オススメです。

スーツケースをかついでメトロのアヴェニーダ駅の階段を降り、メトロでバイシャ・シアード駅まで。
バイシャ・シアード駅にはエスカレーターがあるのでスーツケースをかつぐのは少しで済みます。
でも、ホテルからバイシャまでは、アヴェニーダからバスに乗った方が楽だったかも知れません。

先ほど見つけたアウグスタ通りのパステラリアまで、赤いスーツケースを2つゴロゴロと引きずりながら到着。
テラス席はかなり混んでる中、何とか1テーブル確保し、びびんばは荷物を守り、ぱんだは店内に注文へ。
と思ったらすぐ戻って来て、店のおっちゃんをつかまえて「イメンタ(メニュー)?」。

パステイス・デ・バカリャウ Pastéis de Bacalhau(干しダラのコロッケ)
パステイス・デ・マリスコ Pastéis de Marisco(シーフードのクリームコロッケ)
トシュタ・ミシュタ Tosta Mista(ハムとチーズのサンドイッチ)
ガラオン Galão(ガラスコップ入りミルクコーヒー)

レシートを見ると、以上でチップ込みで8.10EUR(=約1,150円)でした。
昨日ベレンで食べたパステイス・デ・バカリャウが美味しかったので今日も食べたわけですが、やはり美味しかったです。

隣のテーブルには幼児を連れたニホン人の夫婦が座ったのですが、お母さんはテラス席の周りで群れをなしている鳩が恐かったらしく、椅子にも座らずうろうろしていました。
しまいには、頼んだサラダ・デ・フルータス Salada de Frutas(フルーツの盛り合わせ)にも口をつけず、子どもの手を引っ張って出て行きました。
若いお父さんはせっかく来たビールも飲めず、あわてて荷物を持って2人の後を追って行きました。
一体何しに来たんだ、この国に…。

 
(左)アウグスタ通りのパステラリア (右)パステイス・デ・バカリャウ、パステイス・デ・マリスコ、トシュタ・ミシュタ、ガラオン

さてぱんだ、オーダーを取ってくれたおっちゃんを再びつかまえて「コンタ(おあいそ)!」。
こまかいお金がなく、20EURを渡しました(8.10EURだったからお釣は11.90EURのハズですよね)。
その後、いくら待ってもおっちゃんはお釣を持って来てくれません。
忙しそうに動き回っているのを見て声をかけ辛かったのですが、「お釣」はポルトガル語で何だっけ?、と『旅の指さし会話帳』で調べて、びびんばがおっちゃんに叫びました。
「トロコ(お釣)!」
テラス席のテーブルを片付けながらもおっちゃんはうなずいてくれたので待ってると、しばらくしてお釣を持って来てくれました。

おっちゃんはぱんだに「Obrigado! トゥー!トゥー!」と話しかけていたのですが、何のことやらわかりません。
が、ぱんだ、ピーンときたのか、「ありがトウ?」と答えてみると、おっちゃんは「そう、ソレ−!!」って感じで「アリガトゥー!アリガトゥー!」と連呼しとりました。
「Obrigadoはニホン語で何だっけー?」とでも聞いていたのでしょうね。
よくぞオレたちがニホン人だと見抜きましたな。

ところが、そろそろ出発するかと先ほどおっちゃんから受け取ったお釣をよく見ると、10.70EUR。
…オイ、ちょっと足りませんよ?
まんまとボられたか、とぱんだのやさぐれ状態も復活でしたが、びびんばは、単に引き算を間違えたものだと好意的に解釈しておきました。
ポルトガル人が引き算苦手なのは常識ですが何か?

ぱんだのリアルタイムblog >>

● また逢う日まで

12時30分頃、何となく判然としない気持ちのまま、ロッシオ広場までスーツケースをゴロゴロ引っ張り、サンタ・アポローニャ駅までバスに乗りました。
7 colinusは、これが最後の出番。
大いにお役立ちでした。
カード自体はまた使えるので、次回渡ポの時のために、大事に取っておくこととしよう。

 
(左)暑い中働く石畳職人の皆さん (右)さらばリジュボアの光…ロッシオ広場の街灯

サンタ・アポローニャ駅に着いたとき、まだ出発時刻まで1時間ほどあったので、どのホームから電車が出発するのか、駅内のテレビモニターのインフォメーションも出ておらず、待合室で時間をつぶしました。
その間びびんばは携帯でリアルタイムblogを書いていたのですが、何故か通 信設定が変わってしまってネットにつながらず、再設定を余儀なくされました。
13時30分頃にテレビモニターに13:55発Alfa 129の案内が出たのでホームに見に行くと、すでにそれらしき赤い車両が到着していました。
乗って良いのかよくわかりませんでしたが、とりあえず乗り込んでみると、すでに何組か乗客が座っていたので、乗降口すぐの荷物置場にスーツケースを置き、びびぱんの席31番と32番を探しました。
まん中にテーブルを挟んだ向い合せの座席の窓側2席。
…何か変な席の取り方ですな、まあいいけど。
携帯の通信もここでようやくつながり、びびんばのリアルタイムblogを送信。

びびんばのリアルタイムblog >>

13時56分、1分遅れで、びびぱんの乗るブラガ行きAlfa 129号は出発。
さようなら、ポルトガルいちの都会リジュボア。
あっという間の楽しい滞在でした。

アリガトゥー!!

 
 

(びびんば 2005-09-24)